ローカルな夕陽

夕陽も見れたらいいな〜、いや、見たい!!

〜〜

奄美を発つ前日。

翌日の正午発の飛行機に備え、加計呂麻島から名瀬中心地に来ていました。

名瀬は奄美大島、最大の街。
所詮、島の街でしょ?と、のどかな雰囲気を想像してませんかい?

ノンノンノン。
まぁ、私もそう思っていたのですが(笑)、小さい範囲ながらも、繁華街があったり、ビジネスホテルがいくつもあったり、10階建てくらいの高さの建物もたくさんある。

はい、
「町」というより「街」という感じです。
あっ、那覇よりは小規模かな。

さて話は戻り、加計呂麻島では、アイランド時間を楽しむんだ〜♫と楽しみにしていたのですが、まぁそこそこに楽しんだのですが、どんよりした天気が続き、サンライズもサンセットも拝めなかったのです。

せっかく奄美大島に来たのに、水平線と太陽が接している光景を見られないなんて残念過ぎる…と思っていたら、名瀬に来た最終日、よりによって晴れたのです(苦笑)。

けれど、街中なので、サンセットを楽しむためには、車に少し乗って市街の海浜公園まで行かなければならない。

レンタカーは返してしまったし(嗚呼)、目的地へ向かう路線バスは鬼のように本数が少ないし、明日の準備とか、お土産を買いたいとか色々あって、色々あって、色々あって…もう疲れた。

一日中移動した疲れとか、これまでの旅の疲れとか色々襲ってきて、気持ちがダウン。もう考えるのも、疲れた。

ゆっくりしたいと思ってきた奄美だったのに、結局、考えまくってしまったし(泣笑)。

ネガティヴ祭りになってきた…。

自分の心にもう一度「どうしたい?」と聞いたら、「やっぱり、身体が疲れたのでタラソテラピー※のプールに浸かりたい」と返ってきた。

※タラソテラピーthalassotherapy : 一言で言うなら、温かい海水のプールです。フランスなどで運動療法や美容法のためにできたもの。

そのタラソテラピーは、冒頭の海浜公園にあるのです。
ただ、バスの本数が限られているため、ここに行くと帰りが遅くなり、行きたかったお店で夕飯を取るのは諦めないと行けないし、そもそも夕飯を食べられるのが22時頃になるという(笑)。

美味しいものを、島らしい雰囲気で頂くのも、楽しみの一つだったので、

最後の島の夜、
それでいいのか?!
それで本当にいいのかー??
 
と思ったのですが、身体をリラックスさせることと、夕陽を取りました✨

ただ夕陽は、海岸に行ったら水平線辺りは曇っているかもしれないし、バスの時刻的にサンセットギリギリで、賭けでした。

〜〜

タラソテラピーのシャトルバスがやってきて、乗り込んでびっくり!!  

あれ、なんか地元感をメチャクチャ感じる、限りなくおばあちゃんと呼びたくなるお年頃のマダムや、元気なおじいちゃんばかり。

(あれあれ?観光客の行く施設じゃないの?)

次のバス停でも、その次のバス停でも、乗ってくるのは、ザ・近所の人。

そもそも、観光用だったら住宅地には停まらないものね(爆笑)。

(…どうやら、観光パンフレットに騙されたようだ。)

別に、パンフレットは一切、騙してはいないと思うのですが(笑)、観光客も楽しめるし、市民の方々にも使って欲しい施設のようでした。

後から聞いたところ、よくスポーツジムにあるようなアクアビクスクラスが毎日開講されているそうで、地元の方々が愛用してるとか。

そんなことはバスを乗った時点ではつゆ知らず、おじいちゃんおばあちゃんに囲まれ、ちょっと恥ずかしいやら、せっかくの最後の夜を無駄にした気分になり、「あぁ、変な所に紛れ込んでしまった。リゾートホテルのジャグジーみたいな写真は嘘だったのかよぉぉ」と気分急降下。
もう、フジヤマにも勝るほど急降下。

けれど、私たちを乗せたバスは小山を登っていく。

「あれ、海岸行くんじゃないの?」と思いつつ、もう慣れてしまった奄美のあるある地形。
奄美大島は島といえどもフラットではないのです。小さい島の中に山があったり起伏に富んでいるので、山(峠)を越えて海岸部に下って行くとか、よくあることなのです。

山を登っていると当然辺りは暗いので、「あぁ、期待していた夕陽さえ見えないのかぁぁ。なんでこんなについてないんだろう…」
気分とかなり沈み掛けていたら、

次の瞬間、

パァーーーッッッと、バスの中が一気に明るくなったのです!

一同、「ウワォォォォァ✨✨✨」

峠を越えたら、もう100点どころか、千点満点のサンセットの光景が目の前に広がっていたのです。

一緒に乗っていた地元の方々も、「ああ幸せ」なんて言ってすっごく感激していたので、いつもローカル人は見ていると思っていたので、なんだか貴重な瞬間に遭遇できたようで、より感動。

峠の上から真下に広がる夕陽に照らされた海岸、大海原が見渡せました。
そして、その広がる世界に道は続いており、私たちのバスは走ってゆく。

慌ててカメラを取り出したけれど、バスは動いているので上手く撮れないし、それより、1秒でも長くこの光景を眼に収めようと、ただただ眺めていました。

隣の席のおばあちゃんは、ガラケーを出して、一生懸命、カメラに収めていたけれど(笑)。

その光景を見て、微笑ましいし、地元の方々も惹きつけてしまう程の夕焼けだったんだと。

地元の方々と一緒に、美しい瞬間を「キレイだね〜✨」と言い合って共有できたことが、なんだか、とっても嬉しかった。

バスの中で異邦人度を放っていたからか(笑)、夕陽が見たいオーラが溢れ過ぎていたのか、目的地に到着したら、周りの方々が「あのテラスに出たら、夕陽がまだ見れるから、ほら行っておいで、ほら」と、本来、入場料を払ってからでないと行けないエリアに、すーっと歩みを進めた私。

(なんて、みんな優しいんだ〜!!)

ギリギリ、水平線に沈む夕陽を見届けることができました。

改めて入場口に戻ると、もう皆んな入ってしまいいない。

そして、スパエリアに行くと人が多過ぎて誰が誰だか分からない(笑)

ちゃんとお礼、言えなかったな。。。

〜〜

結局、お顔まで覚えられないし、既にあるご近所付き合いの会話に飛び込むのが憚られ、帰りのバスでも静かにしてました。

各バス停で人が降りる度に、みんな「おつかれさま〜、じゃーねー」とか言って手を振り合ってたのです。

まるで下校時の子供達のような光景に、ほのぼのしてたのだけれど、異邦人(私)は、ハッと気付きました。 

Σ(・□・;)

自分の番が来たとき、果たして、この方々はどんな対応になるのだろう…。

別に手を振って欲しいわけではない。

けれど、素っ気なくよそ者扱いされるのも寂しい。 

ドキドキ、ドキドキ。

その時はきた!

まあ、どっちでもいいや。
と思い「お先に失礼します。おやすみなさい。」と言ったら…、
「おつかれさま〜!」って、バスを降りても、みんな手を振ってくれた。

他の仲間に対してと同じように扱ってくれたことに感激。

今まで何ヶ所か島は訪ねてきたけれど、島の人がやさしいって心から思えたの、奄美が一番だったかもしれない。

こんな方々と一緒に美しい瞬間を過ごせたから、ただの光景ではなく、より印象的な情景となったのだろうなぁ。

美しい風景に出逢えるのは、私にとって最上の喜びであるけれど、それを、さらに高めてくれるのは、人との温かい交わりなのだろうな。
















ふらっと旅人 / Flat Tabibito

どこか遠くへ、 「ふらっと」旅をした時のこと。 日々の暮らしの中でも、 「ふらっと」入った新しいお店、 「ふらっと」気の向くままに歩いて巡り合った景色。 遠くのどこかも、すぐ近くのあの場所も、 私にとっては同じ旅をすること。 「ふらっと」軽やかな気持ちで、そして、日常も、非日常と捉えられがちな旅先も、実はひとつながりなのだよ、という意味を「flat」に込めて、綴っていきます。

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